旅先選びの羅針盤

知っておきたい海外個人旅行のトラブル傾向と対策

by kibunhigh
www.kibunhigh.net

このページでは、海外個人旅行にまつわる諸々のトラブルの事例と対策を、私の経験に基づいて紹介します。パッケージツアー(主催旅行)については、日本の標準旅行業約款が適用されますので、直接旅行会社もしくは日本旅行業協会(JATA)と相談・交渉するだけですので、掲載は省略します。
特筆すべきは、昨今主流になってきたインターネット予約・手配に関して、特有のトラブル事例が存在しますので、以下にその注意点をご紹介します。個人で海外の飛行機やホテルなどの手配を行う場合、旅行者とサプライヤー(サービス提供者)との直接の契約関係になり、消費者である旅行者が力関係で不利に陥りがちです。まして、どの国の法律が根拠になるか明確にならないことが多いと考えられます。法的解決を望んでも不可能なケースが多く、まして調べる限り、消費生活センターなどの公的機関であっても、支援や解決に否定的なコメントが多いので、手配は慎重に行う必要があります。

旅行に出発してからの、現地でのトラブルに関しては、外務省のWEBサイトが質量ともに優れているので、独自のコンテンツは提供しません。外務省海外安全ホームページ、現地医務官情報、在外日本大使館・総領事館のWEBサイトを参照してください。

皆様からの海外個人旅行にまつわるトラブルの体験をお待ちしております。また、トラブルのご相談もお受けします(回答できる範囲でお返事します。もちろん無料です)。
なお、パッケージツアー(主催旅行)に関するトラブルについては受け付けておりません。お返事も致しませんのでご了承ください。
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最初にお断り

  1. トラブルが発生した時に、気分ハイに交渉の仲介を依頼できないか。
  2. 法的に任意代理人となり、限られた範囲で交渉を行うこと自体は違法ではありませんが、管理人は情報提供のみ、お力になれたらと存じます。
    悪しからず現場に出てマンツーマンのアドバイスを行ったり、交渉を代行したりすることはありませんので、ご了承ください。


国際航空券手配のトラブル

海外旅行の最重要の要素が飛行機です。ここ数年で、従来の航空会社(レガシーキャリア)に加え、LCC(Low Cost Carrier)の利用が選択肢に加わり、航空旅行が身近になりました。しかし、最近は航空会社の数が多くなってきており、方面によっては航空会社間の過当競争状態に陥っていて、サービスレベル低下が顕著な問題と捉えています。国際線の航空運賃は、最低数万円と高額であり、さらに運賃規則が大変複雑になっているため、トラブルの温床になっていると考えます。運送約款や関連する国際条約が時代遅れなこともあって、トラブルに発展しやすいとも考えます。

  1. 一体どんな法律や約款が適用されるのか(契約関係について)。
  2. 国際航空運送に関して、旅行者である旅客と航空会社の間には、いわゆる「モントリオール条約」(正式名:国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約)および、それに関連した航空会社別の運送約款が適用されます。モントリオール条約は、事故が発生した場合に航空会社が負う責任範囲を定義したもので、すべての国が条約に批准しているとは限りません。問題は、この条約が定める航空会社の賠償責任の上限額ですが、死亡事故で無過失責任部分で10万SDR(特別引出権、約1278万円)、手荷物のトラブル最高1000SDR(約12万7800円)で、あまりに実社会の事情とはかき離れた額の低さです(1SDR=127.8427円、毎年変動します)。モントリオール条約を批准せず、前身の条約のワルソー条約にしか批准していない国の航空会社の責任額は、死亡事故で上限25万金フラン(250金フラン=17SDR、約217万円)という有様です。ワルソー条約があんまりというのでモントリオール条約が決まったようですが、それでも補償額は明らかに低く、航空会社保護としか考えられません。
    航空運送の実務上は、各航空会社が定める運送約款で、乗客はそれを知って了解しているということになっています。しかしそれが問題で、航空会社によっては運送約款を明示していない場合があり、私もそれを根拠に航空会社を訴えたことがあります。予約、発券、払い戻しやフライトの遅延、手荷物に関すること、オーバーブッキング時の取り扱い方など運送に関する諸々が約款で規定されていますが、やはり旅客(消費者)が交渉の余地なく航空会社の規則に一方的に従わさせられるという点は、消費者契約法の絡みで問題になるのでは、と考えています。

    資料:国土交通省サイト「モントリオール条約の発効について」
    資料:外務省サイト:モントリオール条約原文(その1)
    資料:外務省サイト:モントリオール条約原文(その2)
    資料:SDRとは(日本郵便)

  3. ネットで航空券の予約・購入を行ったが、後で氏名のスペルが違うことが発覚した。航空会社には訂正不可と断られた。
  4. マイレージプログラムのアカウント番号を入力して氏名情報を自動入力する場合以外は自分で手入力することになり、それが大きなトラブルの元凶となります。
    国際線のフライトに搭乗する場合の予約上の氏名は、絶対にパスポート記載のスペルと同一である必要があり、1文字でも違うと搭乗を拒否されてしまいます。そこで、あとで間違いに気が付いて航空会社に連絡して解決したいと思う方が多いと思われますが、それはほとんど無理です。ネームのスペル訂正は航空券の名義を他人に譲渡するのと同じ扱いになるため、訂正に応じない航空会社がほとんどです(例外的に、予約後24時間以内に限り応じてくれる航空会社もあります)。予約のとり直しができる限りにおいて、現予約のキャンセル、再予約を行うことになります。
    WEBブラウザ上で氏名を入力する時には、有効なパスポート(写しでも可)を見ながら慎重に入力することをお勧めします。

  5. 一旦予約・支払・発券した航空券だが、急に旅行できなくキャンセルしたいが、支払ったお金が全額戻ってこない。
  6. 旅行会社で購入する格安航空券が制限つきで、払い戻しに制約があることは広く知られていますが、航空会社の公式ウェブサイトで正規の航空券を購入したので大丈夫だろうと誤解する方が多いと思われます。最近の航空運賃の価格競争は明らかに行き過ぎで、燃油サーチャージを別表示したり、航空券の払い戻しができない運賃であることの表示が不十分な航空会社があります。その辺は航空会社の良識を信じるしかありませんが、基本的にクレジットカード番号を入力して、「購入」ボタンを押した瞬間から、何かあっても支払った金額は戻ってこないものと考えたほうがよいでしょう。例外的に、キャンセルしてから1年以内に、別の旅行にすでに支払った金額を充当できる航空会社もあります(エアカナダの例:交換発行を行う例)。
    航空会社の公式サイトだからと安易に信用せず、決済を行う前に旅程の変更・キャンセルの可否、手数料の金額を必ずチェックしてから購入するようにしてください。

  7. オーバーブッキングについて
  8. オーバーブッキングに関する情報は多いですが、管理人は今までオーバーブッキングで乗れなかったことはありません。オーバーブッキングとは、航空会社が予めキャンセルを見込んで座席数以上の予約を受け付けてしまうことで、その見込みが外れるとイスに座れない=飛行機に乗れないという事態になります。私に関しては、日系の某キャリアでエコノミークラスのオーバーブッキングでビジネスクラスに乗ってください、と言われて優雅な体験をした経験があります(それは大歓迎だが。。。)。
    航空会社は旅客の運送責任があるので、運送約款にオーバーブッキングが発生した場合の対処手順について規定があります。ここでは、一例として、デルタ航空の規定を見てみることにします。
     
    (1)ボランティアを募る:ボランティアを申し出た旅客に対し、補償を行って席をゆずってもらう。
    (2)ファースト・ビジネスクラスおよびマイレージ上級会員については、無条件で最優先。
    (3)搭乗券を持っている場合:WEBチェックイン(24時間前)、自動チェックイン機(4時間前)、チェックインカウンターの順で優先 ... WEBチェックインを一刻も早くすべし!
    (4)搭乗券を持っていない場合:運行状況により再予約した旅客、マイレージ上級会員、その他の旅客の順で優先
    (5)高齢者や障害者など特別のケアが必要な旅客、US軍人などは優先される。
     
    もし乗れなかったら。。。
     
    (1)次の便に振り替える
    (2)他の航空会社の便に振り替える
    宿泊が必要な場合は、費用は航空会社もち
     
    つまりは、航空会社に高い運賃を支払ったロイヤルティの高い旅客が優先ということになります。資本主義的な観点で見る限り、より多くの金額を支払ってくれる顧客に対してサービスを手厚く優先的に提供するというのは、至って理にかなっています。つまり、予算のないバジェットトラベラーは有事の際に溜飲を覚悟する必要があります。座席指定の観点からは、予約した時点で事前に座席指定を行っておくこと(航空会社によっては、エコノミークラスは不可)、そしてチェックインをWEBでいち早く行うことがおすすめです。チェックインはフライトの出発3時間前から行うことが多いので、いつ空港に着けばよいか自ずと分かるはずです。欧米の空港では3時間前でもたくさんの旅客が列を作っていて、びっくりしたことがあります。。。運が良ければ、オーバーブッキングのためにエコノミークラスの旅客がビジネスクラスやファーストクラスに無料でアップグレードされるということがありえます。

  9. アメリカ線に搭乗する時、WEBチェックインが不可能で、空港でもゲートなどで追加のセキュリティチェックを受けた。
  10. デルタ航空を利用してアメリカに向かうとき、過去2回連続して余分な厳しいセキュリティチェックを受けたことがあり、不快に思っています。成田空港の搭乗ゲートでボディチェックと機内持ち込み手荷物の中身をすべてチェックされ、他に口頭で旅行の目的などしつこく質問されて、疲れてしまいます。エアカナダなど他の航空会社(北米系)では全く引っかからないのに、デルタ航空に限って毎回引っかかるのは腑に落ちません(デルタ航空の上級会員にもかかわらず)。
    この状態になった時、WEBチェックインも不可能になってしまいますが、空港の職員に尋ねたら、「ランダムのセキュリティチェックを受けてもらいます」と言われました(一説によれば、ランダムとは単なる逃げ口上みたいですが)。成田空港の場合、通常のセキュリティチェックに加えて、前述のゲートでのチェックもあって、搭乗が遅くなります。ネットで検索してみたら、このチェックを受けている人は結構いるようで、豊富な情報がありました。このセキュリティチェックのことは、Secondary Security Screening Selection(通称SSSS)と呼ばれているようで(Super Severe Security Selectionの略という説もあり:笑)、2001年のテロ事件以降導入されているようです。このチェックの対象にされる可能性がある人は、以下の条件のいずれかに当てはまる場合のようです。

    • 片道の航空券を購入した場合
    • 航空券を出発直前に購入した場合
    • 航空会社の公式サイトにおけるクレジットカードでの購入・支払手段以外で航空券を購入した場合(旅行会社で航空券を発券した場合など:旅行会社にクレジットカードで支払った場合もNG)
    • 航空会社によってランダムに対象とされた場合
    • 要注意人物リストに掲載されている場合

    米国国内線で片道の航空券を購入した時でも、この対象になったことはありません(ただし、いずれも公式サイトでクレジットカードで直接発券しています)。しかし、デルタ航空の航空券は旅行会社を通して発券しました。この場合、支払手段がクレジットカードではなく現金となるため(たとえクレジットカードで旅行会社に支払ったとしても)、SSSSの対象者として挙がってきてしまったと考えられます。CCCFという特殊なクレジットカード決済方法がありますが、ノーマル運賃以外では利用が考えられません。
    つまり、怪しまれないためには、航空券を旅行会社で買うのではなく、航空会社の公式WEBサイトでクレジットカードで決済して購入しなさい、ということです。アメリカに関しては、この状況ではますます旅行会社離れが進みますね。

  11. ストライキや急な機材の不調などの航空会社が起因するフライトの遅延・キャンセルにあった場合
  12. フライトが欠航や遅延となることはしばしばあることで、旅客は不利益をこうむることになるわけですが、問題はその原因です。原因の大半を占めるのが、天候や空港職員(管制官など)のストライキなどの原因で、それらの原因で遅延や欠航が発生した場合、前述のモントリオール条約や運送約款上、航空会社の責任はないものとされ、乗客の泣き寝入りとなります。
    しかし、原因の中には、乗員のストライキや機材の整備不良が発覚して急に欠航となったり、大幅な遅延が生じる場合があります。それらの原因は航空会社の責任となり、条約や約款でどのような措置を講じるか定められていますが、限りなく旅客にとって不利益なもので、航空会社の責任が最小限に済まされている点に関し注意が必要です(消費者契約法がある現在では、法の規定と運送約款の規定にかなり齟齬が生じていると問題視しています)

    以下、運送約款の条文。航空会社が定刻運航を全く約束しない一方的な規定です。果たして納得できるものでしょうか。
    「会社は、合理的な範囲内で、旅客又は手荷物を旅行日において有効なスケジュール通りに運送することに最大限努力を払いますが、時刻表その他に表示されている時刻は、予定であって保証されたものではなく、また運送契約の一部を構成するものではありません。運航予定は予告なしに変更されることがあります。会社は、この結果、旅客又はその手荷物の他の便への接続に支障が生じても一切責任を負いません。」

    私の経験では、ヨーロッパ系の某航空会社の便で過去2回欠航に遭遇したことがあり、いずれもストライキや機材の不調といった航空会社の責任となるものでした。1回目はアムステルダムのスキポール空港で大規模なストライキが打たれ(KLMの毎年7月は要注意です)、私を含む数千人の旅客がホテルからあぶれて空港内で夜を過ごしました。その時は、日本支社に抗議の手紙を送付したら、約2万円の現金と数千マイルを損害賠償として受け取りました。
    2回目は、旅のはじめの成田空港から離陸しようとしたらエンジンから異音がして離陸をあきらめ、そのフライトも欠航となりました。その夜は航空会社もちで空港近くのホテルに宿泊しましたが(食事を含む)、プレミアムエコノミークラスという中途半端なクラスに乗っていたために翌日の早い便に振り替えてくれず、結局1日遅れで出発しました。成田空港の地上職員の態度が最悪でしたが、それよりも相応の金銭賠償を求めても航空会社(日本支社)が応じようとしなかったため、最終的に東京簡易裁判所に訴訟を提起し、和解という形で約2万円の現金を受け取りました。その際の被告航空会社の言い分は、次の通りです。

    (被告答弁書の一部を抜粋:東京簡裁平成24年(ハ)第79号))
    「代替便の手配に関しては、弊社の規則と作業手順に従い手配され、ハンディキャプや車椅子やご病気のお客様、子供の一人旅、などの特別なお手伝いを必要とされるお客様、政府要人、また上級クラスのお客様から順次手配されます。当日は、すでに出発便は翌朝まで存在せず、また深夜のため他航空会社への連絡も不可能であった。この時点で確実に座席が確保できる27日の午前中の便は、弊社運航の翌朝のAF275便とKL861便のみであった。可能な限り状況を勘案しつつ、これらの代替便に割り振っていづたが、上述の旅客を振り替え、満席となった。また原告に予約いただいたプレミアムエコノミーシートは、存在する航空会社・航空便も限られ、他航空会社にその座席が存在するのか、また各クラスごとの正確な空席数の確認を取ることが不可能であった。」

    この答弁書を解釈する限り、まともな人間扱いされるのは特別ケアの旅客とビジネスクラス以上の旅客で、エコノミークラスの一般旅客は有事の際、家畜並みの扱いを受けるということです。前述のとおり上級クラスの旅客が優先扱いされるのは資本主義的に理にかなっています。そんなことを考え、この事件以降、はっきり言って、エコノミークラスには金輪際お金を払って乗りたくないと思っています。
    航空会社に責めのある場合、日本に支社のある外国航空会社であれば日本支社を窓口に、相応額の金銭賠償を求めてよいと思います。モントリオール条約にも、その旨記載されています。ただし、航空会社もちでホテルや食事の提供を受けている場合、それを理由にそれ以上は無責と航空会社が主張する可能性があります。
    航空会社の責任でフライトがキャンセルになった場合、次の選択肢があり、旅客が自由に選ぶ権利があります。

    • 購入した航空券を無手数料で払い戻しを受ける。ただし、一部すでに搭乗済の区間がある場合は、その区間の運賃額を引いた差額。
    • 代替振替便の予約および宿泊・食事の手配(必要な場合のみ)をしてもらい、旅行を継続する。(その場合でも、航空会社の責任が完全に果たされたとは限らない)

    私の2番目のケースでは、空港の地上職員から上記のいずれかを選択できることの説明が全くありませんでした。旅客に対する配慮がまるでなかったので業を煮やして訴訟に踏み切ったわけですが、仮に旅行を継続した場合でも、慰謝料の損害賠償として航空会社を相手に訴訟を提起することが不可能ではないことがわかっていますので、決して泣き寝入りせず、航空会社にはかなり強い態度で代替措置や賠償など求めてもよいでしょう。

  13. 預けた手荷物を到着地の空港で引き取ったが、傷ついていたり、部品が壊れていた。
  14. チェックイン時に航空会社に預ける手荷物(受託手荷物)についても、ちょっとしたことでも航空会社の都合よく責任が免れるように運送約款上規定されていますので、注意が必要です。
    受託手荷物に関するトラブルには、大きく手荷物自体のダメージ、手荷物到着の遅延、手荷物の紛失・盗難がありますが、ここでは手荷物のダメージについて説明していきます。いずれの場合でも、到着空港で荷物をピックアップすべき時に、ただちに航空会社のスタッフに申し出て、レポートを取得する必要があります。
    総じて北米系のキャリアの手荷物のハンドリングが乱暴で、スーツケースのキャスターが破損していたり、スーツケースのふたが閉まらなかったケースや落ちにくい汚れがついていたりと最悪です(それでも免責です)。ヨーロッパ系やアジア系のキャリアのハンドリングは比較的丁寧ですが、ヨーロッパの空港では手荷物の紛失が多いと聞きます。
    受託手荷物のトラブルの際も、有責・免責の規定と賠償の金額などの規定が、各社の運送約款およびモントリオール条約の中にあります。多くの航空会社が、以下のような免責事由を運送約款で定めています。

    • 切り傷、すり傷、濡れ、汚れ等の軽度の破損
    • 鍵、ベルト、ストラップ、キャリーカート、ハンドル、車輪、台座、底足、ファスナー、ポケット等荷物の付属品または、外付けの一部とみなされるもの
    • 腐りやすいもの、壊れやすいもの、ソフトバッグ、ゴルフバッグ等の耐久性に欠ける素材のもの
    • 過度の重量やサイズの荷物、中身の詰め過ぎによる破損やこぼれ
    • 現金、貴金属類、カメラ、書類、有価証券類、パソコン等電化製品などの貴重品
    • 免責確認済みの受託手荷物

    実際は、チェックイン時に手荷物にダメージがあると確認された場合、Remited Releaseとして、手荷物に貼られるバゲージタグの裏面にチェックが入り、それに関しては一切免責になります。たとえば、

    • こわれもの(Fragile)
    • 荷造りが適切でないもの
    • 腐りやすいもの(遅延に関し免責)
    • ハンドルの破損
    • ストラップの破損
    • こすり傷(スクラッチ)
    • 破れ

    また、スーツケースの重量が23kg(50ポンド)前後を超えると、「Heavy」タグをつけられて、破損があっても航空会社は無責です。
    手荷物の扱いに関しても、あまりにも航空会社に有利な運送約款の規定を消費者である旅客に押し付け、航空会社の怠慢によって多くの旅客が泣き寝入りをさせられているということであり、大きな問題をはらんでいると考えます。
    免責をいいことにして、手荷物のハンドリングが乱暴になっている節もあると思われるので、海外旅行傷害保険の携行品特約を付けておいたほうがいいです(特に北米が目的・経由地の場合)。


海外ホテル予約のトラブル

ここ数年で、海外ホテル予約のサービスを提供しているWEBサイトの日本語版が急増し、利用する機会があると思われますが、そのサービスに関するトラブルが公的機関に多数寄せられているようです。かなり深刻と考えているので、典型的なトラブルと対策を以下に紹介します。

  1. ホテルの予約サイトで一番安い料金の部屋を予約したが、予定が変わりキャンセルした。しかし、返金不可と言われ、損害を負った。
  2. 海外(日本を含む)のホテル予約サイトの運営者が海外所在の旅行会社ということをまず知っておく必要があります。したがって、トラブルになった際、日本の裁判所での解決が不可能なケースがあると考えられます。
    一番ありがちなのが、ホテルの予約サイトで一番安い料金を表示させ、予約に誘導しますが、その料金には税金・サービス料が含まれておらず、また事前購入型の料金というパターンです。通常、海外のホテルを予約するにはクレジットカード情報を提供して予約をギャランティーする必要がありますが、現地時刻ベースで宿泊24時間前にホテルに連絡すればキャンセル料を取られず、課金が発生しない、実際の決済は現地ホテルで、というのが業界標準です(リゾートホテルは72時間前などと早くなる傾向があります)。
    厄介なのが、事前購入型の宿泊プランを一度選択してしまうと、購入ボタンをクリックした途端、事前に支払った金銭の返金が金輪際ないということで、旅行に行けなくなった場合も返金はゼロですし、近辺の他のホテルで(同じホテルでも)安い料金が出たからと言って返金を求めても全く応じてくれません。海外ホテル予約サイトは日本語サポートをうたっていますが、コールセンターが日本国外に所在するものと考えられ、サポート担当者の日本語のスキルが低く、かなりいらつきます。
    法的解決が難しいことから、この件で損害を負ったとしても賠償を求めるのは極めて厳しいと思われます。さらに問題なのが、料金ルールの表示のしかたで、よほど注意してリンクをたどっていかないと返金不可ということが表示されず、ルールを知らないまま決済ボタンを押してしまうことが多いことです。事前購入型の料金プランかどうかを問わず、ホテル予約サイト(航空会社のホテル予約サイトを含む)では予約した時点で全額がクレジットカードにチャージされます(例外はbooking.comで、事前購入型プラン以外は事前チャージがなく、ホテル現地払いでよいのでお勧め)。
    旅程が確定している場合以外には、料金が他のプランより安いといって、事前購入型=返金不可のプランを決して選択しないでください。

  3. 予約したホテルの料金を後日確認したが、予約した料金よりも安かった。差額を返金してほしい。
  4. ホテル予約サイトの中には、最安値保証、差額返金をうたった料金プランがあります。しかし、一見、他のサイトに安い料金プランが提示されていたとしても、返金の条件をクリアするのはかなり困難と思われます。主な返金条件として、予約完了後24時間以内であること、同じ日程、宿泊日数、部屋の種類、全く同じ支払条件であること(前払いなど)、事前購入型の料金プランではないことなど、多くの条件があり、仮に申請してもなんだかんだ言ってきて、返金には応じられないと言われてしまうのが普通です。同じホテルで旅行間際に料金チェックしたら、料金が予約時よりも下がっていたので差額の返金を求めましたが、事前購入ということで受け付けられませんでした。通常は宿泊日までの日数が事前に長いほど提示される料金が安く、間際になるほど高くなるのが大前提ですが、例外的にシンガポールのホテルなど、間際でホテルの部屋が売れていないと値下げすることもあるので、注意が必要です。WEBの画面に表示された料金で決済・予約をしてしまうと、それで契約成立ということで、料金はどんな事情があろうとも確定されます。万が一値下がったようであれば、状況が許す限りいったん予約をキャンセルし、新しい料金で予約しなおすというのが賢いセオリーです。
    ホテル直のWEBサイトで提示されている宿泊料金がホテル予約サイトで提示されている料金と全く同額であった場合(最近はそういうことが多いです)、ホテル直のWEBサイトで直接予約したほうがリワードプログラムの対象になるなど、有利です。

  5. ホテルの部屋のタイプを指定したいが、ホテル予約サイトでは指定したいタイプの部屋が予約できない。
  6. 特に、ハワイなどのビーチリゾートでは、オーシャンビューなどの部屋タイプの細かい指定の需要があり、ホテル側でもリクエストに対応していますが、多くは料金プランの一つとして指定するものです。また、朝食の有無を指定したいというケースがあります。
    経験則から、ホテル予約サイトがすべての部屋タイプに対応しているということがなく、スイートルームの予約やコネクティングルームのリクエストなどは難しいです。一方、ホテル直のWEBサイトであればすべての部屋タイプの予約が可能で、AAA(JAF)会員割引などの条件を付けて予約が可能です。特別なリクエストがある場合、可能な限り、ホテル直のWEBサイトを利用し、足りないところはホテルチェーンの日本オフィスに電話してリクエストをしましょう。

  7. 予約サイトで支払いを済ませ、ホテルで航空会社のマイレージへの加算を依頼したが、加算されなかった。
  8. 数年前まではホテル予約サイトからの予約であっても航空会社マイレージアカウントへの加算が可能でしたが、ここ最近は該当要件を満たさないとして加算が不可能になっています。ホテルのマネジメントの観点から、ホテル予約サイト=旅行会社には手数料をホテルから支払わなければならないため、コスト管理の点から宿泊者の航空会社マイレージアカウントへの加算が行わなくなっていると推察されます。
    繰り返し申し上げますが、航空会社マイレージプログラムに宿泊分のマイレージを加算するには、航空会社のプログラムの該当ルールをよく確認しましょう。そこに記載されている方法でないと当然加算されません。ホテルチェーン直のサイトからの直接予約で、予め加算希望の旨とアカウント番号を申告しておきましょう。ホテルチェーンによっては、自社のリワードプログラムに登録させ、即座に航空会社マイレージに加算されるパターンと、ホテルのリワードプログラムに一定のポイント数を貯めてから航空会社のマイレージに引き換えるパターンがありますので、どちらが良いかは検討してください。

  9. 予約サイトで予約したホテルは、必ず事前に支払わないといけないのか。
  10. 事前購入型の料金プランか否かを問わず、ホテル予約サイトおよび航空会社のホテル予約サイトで予約したホテルの宿泊料金は、予約・決済のボタンを押した時点でクレジットカードにチャージされます。数は少ないですが、ホテル直の予約であっても1泊分の料金を事前チャージされたことがあります。例外は、booking.comで予約した事前購入型の料金プラン以外の普通の料金プランについては、ホテルに実際に宿泊した時点でのチャージとなります(クレジット番号を登録する必要があり、キャンセル料もホテルの規定によってチャージされることは他のサイトと変わりません)。
    ホテルチェーンのWEBサイトで予約する場合は、クレジットカード情報を提供して部屋をギャランティしますが、事前購入の料金プラン以外は現地精算となり、事前にチャージされることはありません。(この場合キャンセル料の発生は、一般的に現地時刻の24時間前までにキャンセルの旨をホテルに連絡しない場合)

【大手ホテルチェーン直のWEBサイトでの宿泊手配のすすめ】

ご紹介したように、海外の旅行会社が運営するホテル予約サイトではトラブルが多く、ホテルや航空会社のリワードポイント・マイル積算の対象外となり、旅行者としてはメリットがありません。以下のような大手のホテルチェーンであれば直接予約できるサイトがあり、旅行会社の予約サイトと料金が変わらないにもかかわらずリワードポイント・マイルもしっかりと付きますので、直営の会員サイトで予約手配することをお勧めします。部屋タイプが細かく選べ(空室状況による)、ホテルへのメッセージも同時に送ることができて有利です。まして、ここ最近は大手ホテルチェーンほど旅行会社への手数料の支払いを避けるために、ホテル直のWEBサイトでの予約に宿泊者を誘導しようとする節がありますが、朝食無料などのプロモーションを適用しての手配が可能な場合があり、宿泊者にとって有利でお勧めです。

他にもホテルチェーンのリワードプログラムがあるようでしたら、管理人まで教えてくださいませ。


海外レンタカーのトラブル

飛行機やホテルと比べると、レンタカーに関してはそれほど大きな問題がありません。レンタカーの予約に際してクレジットカード番号の入力を求められず、料金が現地決済であるため、キャンセル料などの金銭的なトラブルは見られません。ただし、現地に行ってみてトラブルに遭遇することがないとは言い切れません。(本稿では、運転中の交通事故・交通違反に関しては言及しません)

  1. 年齢条件を満たさず、車をレンタルできなかった。
  2. 海外で車をレンタルする時に必ず必要なのが、運転免許とクレジットカードです。運転免許については、日本の運転免許証と国外運転免許証を携行することになります。クレジットカードは、日本で発行されたもので大丈夫です。
    運転者の年齢条件ですが、レンタカー会社と国によって最低年齢が異なりますので、各会社の情報を参照してください。一般的には、最低21歳で、大手のHertzでは概ね25歳以上といった条件になっていて、現地で車を借りる段になってチェックされます。注意すべき点が、WEBサイトで予約する際、生年月日の入力が必要ない、つまり予約の段階でレンタカー会社が資格をチェックしているわけではない、ということです。年齢が25歳に満たない場合は、予約の前に各レンタカー会社の日本オフィスに連絡し、確認することをお勧めします。

  3. 予約したにもかかわらず、車が用意されていなかった。
  4. 信じられないことですが、数年前にカナダで車を借りるときに、予約しておいたコンパクトカーが売り切れているわ、と言われ、差額なしにSUVクラスの車を笑ってアサインしてくれました。もっとも、現在では車体のバーコードを携帯端末でスキャンして管理しているので、予約していた車が売り切れているなんてことはもはやないはずです。
    これは笑い話(実話)だったのですが、車を借りるとき、予約した車のクラスよりも料金の高い車をアサインしてこようとします。少しでも収入(レベニュー)を上げろと管理職から指示されていたに違いありません。こんなときは、嫌だったらはっきりと断ってよいです。一例として、Hertzでは、プリウスなどのハイブリッドカーがアメリカの一部の営業所で車種指定可能になっていて、とても魅力的です。普通はクラス指定で車種は指定できませんが、Hertzは特定の車種指定が一部可能になっています。こんな時、予約で車種指定している場合は、特に車種の変更やアップグレードは断ってよいと思います。

  5. 航空会社のマイレージが加算されない。
  6. WEBサイトから予約する時に航空会社のマイレージのアカウント番号を入力するのが大原則ですが、入力フォームにこの項目が存在しないことがあります。Hertzでは、つい1年くらい前まではWEBサイトから番号を入力できましたが、現在ではなぜか入力するフィールドが削除されて、番号を登録できなくなっています。
    Hertzのスタッフに言わせれば、予約時、借り出し時、返却時のいずれかのタイミングで番号を登録できると言っていました。WEBで予約してから日本のオフィスに連絡して番号を入力してもらうのが楽でしょう。このタイミングを忘れた私は、借り出し時にも車と保険で頭がいっぱいで忘れていて、後で気づいて大変でした。レンタカーの積算マイル数は結構大きいので、忘れずに登録するようにしましょう。

  7. 実際に請求された金額が、予約時の見積金額と比べて高額だった。
  8. WEBサイトを利用して予約を行った場合、細かな見積もりが表示されますので、これと現地での数字と照合すればよいでしょう。レンタカーの料金見積もりは本当に大雑把なもので、国によって保険が含まれていたり別料金だったりします。最低限でもLDW(車両補償制度)が基本料金に含まれているかチェックしてください。物損事故の場合でもLDWに入っていれば、賠償の義務を免れることができます。他の人身保険なども勧められて、安くはないのですが、日本の海外旅行傷害保険では自動車加害事故に関し無責なので、入っておいたほうがよいでしょう。
    カーナビを付ける付けないと検討しているうちに、予約時の見積よりも最低数十ドルはオーバーしますが、特に高額だとは言えません。

  9. レンタカー利用代金をクレジットカードで支払ったが、日本円建てで請求が上がっていた。
  10. 管理人が最近あったトラブルですが、いつも利用している某世界最大手のレンタカー会社でドイツでレンタカーを利用し、帰国してからクレジットカードの請求状況を見てみたら、なんと現地通貨建てではなく、勝手に日本円に換算されていたので、あわててレシートを見てみたら、うっすらと換算レートと換算金額が記載してあり、それに同意したことになっているではありませんか。レンタルアグリーメント(契約事項)には、支払通貨はオプションで、つまり利用者が選択する権利がある旨記載があるので、レンタカー会社側で利用者の同意を得ずに勝手にレート換算することは契約違反ということになります。
    これはレンタカー料金に限りませんが、海外で日本発行のクレジットカードで買い物をした場合、国によっては現地通貨で支払うか、お店のレートで換算された日本円の金額で支払うか選択する場合があります(その場合、必ずどちらの通貨にするか確認されます)。ここで言えることは、勝手に円換算された金額はレートが悪く、現地通貨建てで支払ってクレジットカード会社が使う換算レートよりも必ず不利なので、絶対に現地通貨建てで支払うようにしてください。店舗側が設定した換算レートは、日本のクレジットカード会社が使用する換算レートよりも必ず利用者に不利です。
    当然このレンタカー会社にはクレームを上げましたが、(説明はなかったものの)こちらが契約書に署名していたために、相手にされませんでした。他の国では現地通貨建てでトラブルなく支払っていただけに、ドイツに限っては不思議です。


スマートフォン通信のトラブル

最近広く普及したiPhoneなどのスマートフォン、海外でそのまま使用しようと思っていませんか。設定など注意していないと、信じられない高額請求を受けることになります。今後深刻な海外旅行がらみのトラブルになりそうなので、ご紹介しました。

  1. メールチェックした程度なのに、後日数万円の海外ローミング料金を請求された。
  2. 2011年にiPhoneをカナダで使用したことがあり、メールの確認とマップを表示させた程度でしたが、後日数万円の請求書が来て、目ん球が飛び出たことがあります!業を煮やしてソフトバンクモバイルに問い合わせたら、数十万円の請求はごく当たり前だというではありませんか。これも海外旅行のトラブルには違いありません。
    いまだにソフトバンクモバイルはカナダの通信業者と契約していないようで、定額パケットし放題の対象外の国になっています。ソフトバンクは海外定額を提供している国が少なく、対象国以外に渡航し、iPhoneを使用する限り、高額請求の恐れがあります。
    海外パケット定額サービスに関しては、NTTドコモが一番契約国が多く、簡単に海外ローミングを利用できると思われます。

  3. 海外での通信コストを軽減する方法はないか。
  4. 海外旅行でこそ、情報収集のためにスマートフォンが活躍する場面が多いはず。しかし、パケット料金が海外ローミングだと、安くて1日1980円、10日では19800円かかることになり、非常に高額です。このような重要な事実を、マスコミはなぜか報じようとしません。(最近はSIMフリーが知られてきたのであまり問題ないのですが)
    そこで、気分ハイは、思い切って現地の国のローカルの携帯電話会社のプリペイド式のSIMカードを購入し、データ通信を行う方法を提案します。法的規制がありませんし、契約約款上抵触する点もありませんので、堂々と実践できます。私はカナダでの事件以来これを実践していますが、英語が通じないラテンアメリカでは大苦戦しました。そんなわけで、ローカルSIMカードを購入し、使うには次の条件をクリアする必要があり、ちょっとしたハードルではあります。

    • 現地の公用語で会話できること。最低片言プラスアルファの語学力が必要です。
    • スマートフォン本体のSIMロックが予め解除されていること。

    携帯電話会社ごとのシステムと注意事項を理解するために、相応の語学力が必要なわけです。英語圏&ヨーロッパ、アジアではそれほどSIMカードの購入が困難ということはありません。アルゼンチンでは、事情がよくなく、購入申し込みから実際に開通(アクティベート)するまで丸々3日間かかり、使い物になりませんでした。アジアでは簡単な英語が通じて購入できるかと思います。一例として、アメリカのT-Mobileだと、月極めで30ドル+TAXで、iPhoneでの国内電話とデータ通信(3G)が無制限にでき、大変安価です。詳細な事情は、各国のページに記載してありますのでご覧ください。

(気分ハイ:1993年一般旅行業務取扱主任者資格取得済み。本サイトは現在のところ無報酬のため、旅行業法上の事業には該当しません。)

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