光トポグラフィー検査(NIRS)受検体験

本稿では、筆者が2015年4月に受けた、掲題の光トポグラフィー検査の体験を、一患者の立場で紹介する。また、検査結果の一部も公開する。筆者にとっては、精神疾患の確定診断につながった、意義深い検査だった。
医師としての立場で記載していないので、テクニカルな内容ではない。内容の詳細については責任を持ちかねることをご承知いただきたい。

筆者は長い間うつ病の反復に悩まされていて、何とかならないものかと、なかなか確定判断しない主治医に不信感を抱くくらいになっていたのだが、主治医に何とかならないものかと相談したら、NIRSという言葉を教えてくれて、ネットで調べてみたらどうかと勧められた。
NIRSという表現は、光トポグラフィー検査の専門的な表現で、医師の間で使用されている言い回しなのだろう、分かりづらかったが、こんな検査が受けられるんだということを知れただけで、意義が大きかった(主治医もまだ捨てたものではなかった)。

光トポグラフィー検査は、数年前に大学病院で始まり、最近メンタルクリニックにも導入されてきた検査で、うつ病(大うつ病性障害)、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症のいずれかが分かる検査だ。注意しなければならないのは、この検査は補助鑑別検査と言われるもので、確定診断にはならない。つまり、この検査の結果は診断のための一判断材料に過ぎない。
しかしながら、これまでの問診だけの診断に代わる、物理的な検査結果なので、結果に信ぴょう性を持たれやすいのではないかと思う。

最近では、この光トポグラフィー検査を一部のメンタルクリニックで行っているが、この検査、検査後の診療ともに保険適用にならず、自費負担になるところがあるので、注意していただきたい。
その理由は、厚生労働省からの通達で、医療機関の設備体制が十分に整っていないところは、光トポグラフィー検査の保険適用を認めないということになっているからである。
今のところは、既存のうつ病患者に対する検査という位置づけから、診断名のない初診患者には保険診療が適用されないと聞いたことがある。長年確定診断が取れない患者のための検査であるということだ。

したがって、筆者は検査をするのに、都内多摩地域にある国立病院に検査入院をした。事前に検査入院の予約が必要なのだが、筆者の場合は割とすぐにとれて、検査を実施できた(もちろん主治医からの紹介状も必要)。費用は、保険適用には違いないが、入院費用部分が高額で、合計で3万数千円かかった。まあ、これではっきりした病名が分かれば安いものではある。

この病院での検査入院の内容はてんこ盛りで、光トポグラフィー検査のほかに、数種類の心理検査、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査などがセットだった。

まずは、結果の部分を紹介したいが、波形の特徴で以下の画像のように病名の傾向を判断するということを知っていただきたい。

20151003_aboutOpt_area01

(引用元:銀座メンタルクリニックウェブサイト http://www.med-i.co.jp/hikari/about_opticaltopography.html)

画像中の解説が専門的で分かりにくいのだが、つまりは健常者であれば、検査課題中は脳が活発に働いているが、うつ病患者は終始活発ではなく、双極性障害では活発に働くのが遅く始まり、統合失調症では規則的な波形パターンではないということである。

さて、検査自体のことだが、検査入院中1日目の夕方に行われたのだが、検査自体は15分程度しかかからなかった。検査機器は大きくないので、普通の診察室でも行える検査だ。頭に検査用の帽子を着用してから、言語流暢性の課題を検査として行う。例えば、「え」で始まる言葉(単語)を思いつく限りたくさん答えてください、という内容で、言えた単語数が検査結果になるわけではないことに注意。

検査入院の退院直前に、光トポグラフィー検査の結果をもらうことができた。

20151003_report_headerまずは、筆者の波形から。

20151003_report_eval1

この波形の所見は、次の通りだ。上記の波形パターンの画像での、双極性障害の波形特徴と一致する部分がある。

20151003_report_eval2

筆者が双極性障害(2型)と診断された瞬間で、今までのモヤモヤがすっきり取れた瞬間であり、同時に、これまでの間違った薬剤治療(抗うつ剤)で薬害双極性障害になったのかもしれないという疑いを持った瞬間でもあった。
この結果を主治医に伝えたら、実は双極性障害を疑っていたというではないか。精神科医って、なかなかはっきりものを言ってくれないんだよね。それで、余計にモヤモヤとする次第だ。

(アイキャッチ画像出典:ぱくたそ https://www.pakutaso.com/userpolicy.html)