精神障害者を雇用したくない? – 障害者雇用実態調査から

ショッキングな見出しで悲しいが、ネットで厚生労働省の資料を漁っていたら、平成25年の障害者雇用実態調査結果が見つかって、ダウンロードして読んでみた。
残念なことに、精神障害者にとって就労のハードルがいまだ高いことが垣間見えたので、断片的だが一部の結果をご紹介したい。

!当事者の皆様へ:本記事は精神障害者当事者にとって厳しい記事のため、体調や状態が良くない時に以下を読むのは控えてください。!

調査結果を読むと、結果としては多くの企業が精神障害者の採用を未だにしたくないという空気が漂っている(同じ障害者を採用するならば、身体障害者にしたいということ)。
しかし、数字などの内訳を見る限り、知的・精神障害者に過度に(偏った)厳しい結果にも感じられるので、それほど悲観的になりたくないところである。

最近は精神障害者が障害者枠を利用して就労する数が増えているといわれていて、昨今の法定雇用率引き上げの動きがあるので、大手企業を中心に動きがあると、筆者も実は楽観視していた。
しかし、それと逆行する調査結果で、意外であった。企業の本音が想像できた。

当該調査結果の27ページと28ページに企業の意向がまとめられているので、それをかいつまんで紹介する。
本調査を読む上で注意すべくは、調査対象の企業が大企業(特例子会社を含む)か中小企業かが示されていないことで、この調査に中小企業が多く回答していたのか、大企業が多く答えていたのかでこの調査の結果が分かれ、あまり信頼できない結果であるかもしれない点である。

1.今後の障害者雇用の方針

「精神障害者の今後の雇用方針について、「積極的に雇用したい」が4.2%、「一定の行政支援があった場合雇用したい」が13.8%、「雇用したくない」が25.3%、「わからない」が52.7%であった。」

fig5-1

積極的に雇用したいという項目と雇用したくないという項目に注目していただくと、身体障害者と精神障害者(と知的)の差が顕著で、結果が分かりやすいかと思う。

この項目からは、単純に障害者を採用するならば身体障害者からで、それ以外の障害者はよく分からないから採用したくない(できない)ということが分かる。

2.障害者雇用を促進するために必要な施策

「精神障害者の雇用を促進するために必要な施策は、「雇入れの際の助成制度の充実」が58.9%、次いで「雇用継続のための助成制度の充実」が52.9%、「外部の支援機関の助言・援助などの支援」が52.7%となっている。」

fig5-2

精神障害者の場合の割合が高い項目は、「外部の支援機関の助言・援助などの支援」や「外部からジョブコーチや介助者など人的資源の充実」や情報提供である。
つまり、精神障害者が就労するにあたっては、支援機関である地域障害者職業センターやリワークプログラム(就労移行支援など)を利用して就職活動に臨むというのが近道であるということが言えよう。実際、ハローワークの障害者枠求人には、支援機関利用者対象の非公開求人があると聞く。企業が自社で抱え込めないので、支援機関の助けが必要ということであろう。(一方で、支援機関を利用しないで自力で応募しないと受からない会社もあるらしい。。。)

つまるところは、企業側も精神障害者雇用にあたっての情報が必要で、知らない以上は採用に踏み切れないのだろう。

3.障害者を雇用しない理由

「精神障害者を雇用しない理由は、「当該障害者に適した業務がないから」が80.1%、次いで「職場になじむのが難しいと思われるから」が36.6%、「施設・設備が対応していないから」が31.0%となっている。」

fig5-3

「当該障害者に適した業務がないから」は全カテゴリーの障害者共通なのだが、「当該障害者の雇用管理のことがよくわからないから」の項目と、「職場になじむのが難しいと思われるから」の項目が精神障害者で高めだ。

前項目で企業にとっての情報不足ということを言ったが、この項目からも情報不足が精神障害者雇用の上での課題であるということが分かる。

しかし、職場になじむのが難しいと思われるからというのは精神障害者に対する偏見に他ならないと思う。
他のカテゴリーの障害者と違い、バリバリに働いていた社会人が精神疾患をわずらって精神障害者になるケースが多いので、企業も労働者の使い方(工夫)によっては即戦力として高いパフォーマンスを得ることが可能である(もちろん精神障害者にフルタイム皆勤&長時間残業OKという要件を期待するのは無理なのだが)。
通院のための遅刻・早退や中抜け、勤務時間中の細かな休憩の許可などは企業側が考慮しなければならないし、労働時間管理を現状よりも自由にすれば(フレックスタイムや時間単位の有給休暇など)、精神障害者の活躍の場が広がるのだと考える。

(引用元:平成25年度障害者雇用実態調査結果 厚生労働省職業安定局 pp27-28 – http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11704000-Shokugyouanteikyokukoureishougaikoyoutaisakubu-shougaishakoyoutaisakuka/gaiyou.pdf)

(アイキャッチ画像出典:ぱくたそ https://www.pakutaso.com/userpolicy.html)

コメント

  1. むる より:

    精神障害者には、過去、企画職や管理職についていた方がおられます。大都市から郷里に帰る人もいます。私もそうです。ですから単純作業は苦手、考えるほうが得意です。
    北関東某ハロワ紹介で100社以上面接しても全滅。ハロワは、疾患があっても過去の経歴でいけるだろうとのことでしたが、うちの会社にはそんな資格経歴の持ち主はいらないとの回答が多かったです。履歴書はハロワが指導して書かせたものです。
    要は地方には、クリエイティブな職業がそもそもなく、職業の多様性を進めなかった行政にも責任があります。
    市の福祉課女性職員にこの話をしたところ、「この市に何を求めているのか!最低賃金で掃除夫でもしろ!」と怒鳴られ、本当に精神疾患について理解しているのかと呆れてものが言えなかったです。
    最後にハロワから紹介されたのは、ガシャポンの殻割り。空いた時間でPC作業。最低賃金、通勤に1時間半・・・。そこまで、自分のやりたかったことを封じ込めなければならないと知って、以来、就活をするのはあきらめています。
    はっきり言って泣きたいです。生活費の底が見えはじめ、恐怖でしかありません。

    • 気分ハイ より:

      障害者枠を活用したオープン就労は検討されましたか。(そのためには、精神障害者手帳が必要ですが)
      残念ながら、ハローワークは、障害者に対して親身に相談に応じる、また的確な情報を持った機関ではありません。筆者もハローワークは使えないと考えています。
      精神障害者であれば、保健所(自治体によっては福祉課)で相談し、就労支援機関について情報を得たほうがいいでしょう。
      ただし、(東京以外の)地方ではオープン就労の求人は限られ、思ったような就労ができないかと思います。

      • むる より:

        ありがとうございます。
        オープンでもクローズドでもやっておりましたが、面接まではいけますが、経歴や資格で落とされますね。
        障害者は黙って軽作業でもしていろということのようですが、企画職、管理職を経験して精神疾患や内部障害、難病になった場合、キャリアがアダとなって就職ができないということがあります。特に地方では。
        すでに、あきらめています。市役所の対応も最悪なので。こちらがいくら下手に出ても、怒鳴りつけられてはたまりません。

  2. **** より:

    ハロワは本当に役に立たないですね。何回行っても梨の礫。

    • 気分ハイ より:

      筆者も、地元のハローワークには期待を持てません。障害者用の専門援助部門であってもです。(他のハローワークで応対が良かったところはあります。当たりはずれがあるのかなと推測します。)
      思うに、国がハローワークの支援を充実させるだけの予算を割いていないのかと思います。

      どのみち、求職者(特に障害者枠)にとってハローワークは必ず付き合わないといけない機関なので、支援機関などをかましながら、うまく付き合っていきたいものです。
      (氏名は個人情報のため、コメントから削除いたしました)

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