大手特例子会社(障害者枠)受験 ~溜飲から得た教訓~

筆者もようやく就職準備性が整い、障害をオープンにした就職活動に臨めるようになった。
ハローワークで見つけた求人で、大手通信系のある特例子会社の求人案件に応募ができ、丸々1か月間かけて最終選考まで臨んだ。採用目の前の段階まで進めたのが信じられなかったが、内定を寸止めされて結局不採用であった(入社予定日を直前になってちらつかされたにもかかわらず)。

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まずお伝えしたいのは、本来障害者への配慮が期待される特定子会社での採用選考で、そのプロセス=進み方が求職者の事情を無視したバタバタさで杜撰なものであった。結局会社側(雇用主)の都合がまかり通ってしまうものと感じさせられた。
面接官が、口では「配慮」をしつこく連呼しながら、実際には配慮がまるで感じられなかったので、個人的にはこの会社への応募したことを後悔している。

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特例子会社にもいろいろあるが、職務経験が少ない人でも入社できる会社がある一方で、この会社のように、グループ会社勤務経験者などの即戦力でなければ入社が難しい会社まで様々である。
特例子会社は、法定雇用率のカウントの例外が認められた会社であるから、採用選考や就業配慮など、配慮が一般の会社よりも手厚くないといけないと思うのだが、今回その配慮が結局感じられなかったので、社会的責任を十分果たしていないという考え方もあろう。

障害者雇用においても、実は、企業によって多かれ少なかれ差はあれ即戦力性をいくらかでも期待されているというということを認識しなければならない。
労働の対価としての賃金を得ているからなのであるが、この辺の感覚が、求職者、支援者ともに、就労支援機関など福祉の現場では麻痺してしまうので気を付けなければならない。これは、今回の体験での気付き・教訓であり、今後の受験の心構えとして活かしていきたいところである(福祉と就労は違うということ)。

以下が、今回応募した求人の求人票である。ハローワークで求職登録をしていれば、ネットでも当該求人を閲覧できるが、その表示レベルに合わせるよう、企業名と所在地などは隠してあるのでご了承いただきたい。(すでにこの求人はクローズされており、閲覧できない。)

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この求人(電話オペレータ)に求められる経験だが、「未経験者可能」という記載とは違い、実際は即戦力しか採用しないそうである。特に、クレーム対応がすぐにできる人かどうか、面接官が口にしないまでもかなり気にしていたようである(ハードクレームも極力頑張って対応してほしいとのことであった)。
その証拠に、仕事の内容の中に、「コールセンター経験、マネージャー、スーパーバイザー経験があれば尚可」とあるので、元々求人票の記載の仕方に矛盾があるのは明らかである。実は採用ハードルが高いと感じる。

しかしながら、この会社に限らず一般的に、「尚可」表記があれば、元々即戦力志向だということを読み取ることは、求人票読解の上では一般常識なのであろうから、筆者は特例子会社というところで油断してしまい、不覚なことであった。

その証に、選考方法も、求人票記載とは違い、書類選考、筆記試験ともにあった。面接も3回あってハードだが、筆記試験は特にハードで、適性検査(性格検査含む)、作文、国語、PC操作試験とてんこ盛りである。この会社への応募はお勧めしないが、それでも受験したいのならば、あらかじめ心されたい。

また、筆者のように支援機関を利用している障害者も多数いるかと思うが、この会社の選考には支援機関が介入不可であるので、今回のように滅茶苦茶な段取りをされた場合のフォローアップが困難なことが問題である。
普通の特例子会社であれば(一部の一般事業会社であっても)、選考段階から支援機関のフォローアップを受け入れる会社が多いと思われる。ということからも、ハローワーク以外にも求人サイト経由でも求人を出しているこの会社は、特例でもかなり特殊な部類の会社で、要注意だったことを見抜けなかった筆者自身が浅はかで、悔しい。

その背景には、このコールセンターの深刻な人手不足があり、人の育成どころではないのではないかと推測する。
それにしては、高い即戦力性が求められながら、肝心の給与レンジが月給20万円に届かないのはかなりの薄給と言わざるを得ない。この辺が旧来の特例子会社らしい。需給ギャップが存在するため、余計に人が集まらないのだと思う。
しかしながら、福利厚生は断トツで、年齢によって住宅手当(社宅はない)、夏季休暇と有給休暇(実際に消化できる)その他のサービスで、さすがは大手会社グループと思わせられる。

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実際の選考は、次のように進んだ。
この会社のホームページに載っている内容と寸分の違いがない内容だった。

(1) ハローワークでの面接会

面接20分間(事前の書類選考はなし)

リワーク(就労移行支援)に通っていることを高く評価してくれたようである。
結果連絡は1週間後にあった。

(2) 本社での選考:1回目 … (1) の10日後

一次面接約50分間、適性検査

ここでも、リワークに関しては印象が良かったようである。
結果連絡は翌週早目にあったが、入社時期を了承できるか念を押された(連絡の6日後が会社側が設定した、下記入社日)。支援機関と相談すると回答した。

(3) 本社での選考:2回目 … (2) の13日後

二次(最終)面接40分間、筆記試験(作文など)、PCチェック

現場部長クラスの面接で、リワークや障害が考慮されるどころか、逆に評価が下がったようである。
質問内容が、健常者に対する内容とあまり変わらなかった。
結果連絡はなく、これで、不採用が判明したわけである。(2週間後に書面通知あり、遅い。)

この日は既に月末の日で、もし採用を告げられた場合、翌営業日である月初の日の出勤が強制された。
入社準備にはいろいろと手間がかかるものなので、それは受け入れられない。受かったとしても辞退することを決めた。

繰り返しになるが、この会社は、いやしくも障害者雇用のための特例子会社である。配慮なしに雇用を促進し、法定雇用率を満たすのは本当に可能なものであろうか?? 最大手の会社なので、余程の自信があるのだろうか。

一方で、面接の過程で、最初の段階の人事担当者には、リワーク(就労移行支援)利用者に深い理解があったことが十分感じられた。週5日リワークに通所し、生活リズムが整っていることをアピールできるのは、障害オープン就労には強い武器であることも実感できた。
ただ、この会社の場合では、現場や部長レベルが強く、上層部の理解がまるでなかったことが残念である。

人事で障害者雇用(特に精神障害者)を進めたいと考えていても、現場の理解が薄く、思ったように進んでいないという現状は、この会社に限らずに、多く存在するのではないか。

一般の会社だけではなく、特例子会社を受ける場合でも、採用選考を受けながら配慮の有無や様子を注意して観察し、入社するかしないか慎重に決めることをお勧めする。

(アイキャッチ画像出典:ぱくたそ https://www.pakutaso.com/userpolicy.html)

コメント

  1. シナモン より:

    はじめまして。
    私も最近、おそらく同じと思われる会社へ応募しました。
    現在、一次がおわったところて結果待ちです。
    面接では、一次では現場の方三名でしたが、ため息も多く発言や態度もいまいちで、残念な気持ちになりました...。
    適性試験を受けることが今までになく、もし二次を受けることになった場合、作文やパソコン試験等の適性対策はどのような対策をしたらよいでしょうか?
    よろしければアドバイス頂けたら幸いです。

    • 気分ハイ より:

      シナモンさま

      コメントをいただきまして、ありがとうございました。
      この記事に関して具体的な会社名を明かすことを控えますが、これまでの就活を振り返っても、個人的にはかなり嫌な思いをした部類の会社でした(支援機関のことも巻き込んでしまい、迷惑をかけてしまいました)。この会社、某与党ではありませんが、落ち目な業容でありながらも独占企業だけあって、おごりが強いです。
      選考プロセスは、障害種別などいろいろな要因があるので、これも具体的なことを申し上げられませんが、特別な準備をする必要はないかと思います。あなたさまの障害がわからないため、具体的なアドバイスができずに申し訳ありませんが、精神障害の人にとっては勤続が厳しいかなと考えています。
      よろしくお願いいたします。

      気分ハイより

      • シナモン より:

        コメントありがとうございました。
        応募人数がかなりいた
        ので残るのも厳しそうでしたし、結果もまだ来てないので、とりあえず、他も探しつつ待ってみます。