就労継続8か月目:今のところ順調♪(一精神障害者として)

就労移行支援制度を利用しての訓練通所が終わり、障害者枠で就労を開始してから7か月強が経過した。
筆者の場合は就労を始められて、かつ現在就労継続できていることになる(年次有給休暇が付与される嬉しいタイミングでもある)。精神障害者の場合、就労継続、つまり勤続がなかなか厳しいという現状があるがゆえに、勤続中であっても、福祉からのサポートが必要だと思う。

そのサポートだが、勤続半年が一つの区切りになるのかなと考える。
徐々に仕事になじんでいくタイミングで、まずは仕事に慣れる、出勤習慣を身につけるというステップをこなしての、一段上のステップを踏みつつあるという状況だと思う。

(アイキャッチ画像出所:ぱくたそ)

本稿では、精神障害者の就労後の定着についてと、定着後の課題などをお話していきたい。

就労継続のための定着支援

そのためのフォローアップの仕組みとして、就労支援機関による定着支援の制度がある。
就労移行支援などのサービスを利用していた人が一般就労した場合、原則的に就労後6か月間程度、短期離職を防ぎ長期就労ができるように生活面のサポート・指導や職場側との調整など、本人と会社との橋渡しをする仕組みである。
もし、この定着支援の6か月間を問題なく過ごせた場合には、地域の障害者就業・生活支援センター(自治体により名称はさまざまである)に支援が移行される場合もある。つまりは、これまで利用していた就労支援機関や福祉サービスからは手が離れることになる。

就労移行支援などのサービスの報酬加算体制とも関係して、就労後原則6か月間の定着支援であるのだが、今後は定着支援のための新しい枠組み(福祉サービス)が始まるという情報もあり、就労後の福祉側からの支援体制がより強化されるものとみられる。

精神障害者の職場定着状況

勤続がなかなか難しいというお話をしたばかりだが、その裏付けを探したら、興味深い調査資料を発見した。
「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター」という障害者に関する研究をしている専門機関による「障害者の就業状況等に関する調査研究(2017)」である。職場定着に関するお話をする際の根拠がなかなかなかった中での資料なので、少しは客観なお話ができるようになったかと思う。

本稿では、その調査結果の骨子をごくかいつまんで紹介しようかと思う。精神障害者についての要旨は、次の場合に定着が促進される要因になるという。

  • 就労経験のある会社数が少ないこと(転職歴が多いと定着しにくい)
  • 支援機関による定着支援が行われること
  • 障害をオープンにして障害者枠での就労をすること(一般求人でのクローズド就労は定着が難しい)

ごくごく想定通りのものであるが、なかなか裏付けがなく、憶測や推測でお話ししなければならなかったところである。

次の図は、精神障害者の就労後1年が経過するまでの職場定着率の推移を示している。
障害者求人(障害者枠でのオープン就労)、障がい開示の一般求人、障がい非開示の(クローズド)の一般求人の区分での推移が示されている。

(資料出所:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者の就業状況等に関する調査研究(2017)p57 より引用)

就労直後の定着率を100%として、時間の経過によってどれだけの割合で就労継続されているかということが割合で示されている。
障害者枠での就労でさえ、就労3か月後の定着率が82.7%(17.3%が離職)、就労1年後では64.2%であり、4割弱の人が離職するという結果になっている。筆者も就労1年たっていないので、決して他人ごとではない。
ましてや、障がいクローズドの一般枠での就労では、3か月後が51.9%で、約半数が離職を余儀なくされ、1年後にはわずか27.7%しか就労継続できないという惨憺たる結果になっている。
いかに障がいクローズドで、配慮なしで働くことが、特に精神障害者にとって厳しいことなのかが裏付けられる資料である。

次の図は、就労支援機関による支援の有無による職場定着率の推移である。
支援機関の連携がある場合とない場合とでの推移が示されている。

(資料出所:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者の就業状況等に関する調査研究(2017)p65 より引用)

やはり、就労直後の定着率を100%として、時間の経過によってどれだけの割合で就労継続されているかということが示されている。
支援機関との連携がある場合、就労3か月後の定着率が82.5%、1年後の定着率が63.0%である。一方連携がない場合、3か月後は62.4%、1年後には41.1%である。
例え支援機関がついていても厳しい数字なのであるが、支援機関なしでは安定して就労するのが困難であるように考えられる。

いずれにしても、これらの資料から分かることは、精神障害者の就労定着が依然として厳しく、すぐに辞めてしまうから精神障害者を本音は雇用したくないという結果になってしまうものと考えられる。
それゆえ、精神障害者の雇用拡大をしていくためには、障がいをオープンにしても十分な職場と環境が得られること、そのための定着支援が欠かせないことは明らかである。
法定雇用率が上昇傾向にあるので、将来的にこれらの対策をしないというわけにはいかないはずである。

雇用形態の格差

筆者が就労半年後の現在から将来のキャリアパスを想定した場合、雇用形態を向上するという課題というか希望がある。次のステップとしての具体的な目標になる。
具体的には正社員での就労、契約社員からの正社員の登用というお話になるのだが、精神の場合、最初から正社員から始められるという状況には、残念ながら現状なっていないのではないかと思われる。
ここでは、身体障害者の状況と比較して、ざっくり簡単にその状況を考えたいかと思う。

厚生労働省から発表された「平成25年度障害者雇用実態調査」の結果の中から、身体障害者と精神障害者の労働時間と賃金の比較を一面的ながらざっとしていきたい。

まずは、週所定労働時間の比較である。

【身体障害者】

(資料出所:厚生労働省 平成25年度障害者雇用実態調査 調査結果の概要 p8 より引用)

【精神障害者】

(資料出所:厚生労働省 平成25年度障害者雇用実態調査 調査結果の概要 p16 より引用)

身体障害者については、週30時間以上の常用労働者が81.8%と大半を占め、週20-30時間までの短時間労働者の割合が12.0%と低いのに対して、精神障害者は常用労働者の割合が68.9%で、短時間労働者が26.2%と短時間労働者の割合が高い。
これは、精神障害者の特性として、長い労働時間に耐えられない傾向がある結果が反映されたものと思われる。「長い時間働きにくい」精神障害のハンディキャップである。

そして、週所定労働時間別平均賃金の比較である。

【身体障害者】

(資料出所:厚生労働省 平成25年度障害者雇用実態調査 調査結果の概要 p8 より引用)

【精神障害者】

(資料出所:厚生労働省 平成25年度障害者雇用実態調査 調査結果の概要 p17 より引用)

その労働時間が反映されてか、賃金は身体障害者が優位である。
身体障害者の場合、月給制が58.8%、日給制が4.8%で、時給制が32.6%に過ぎない。精神障害者の場合、月給制が44.0%、日給制が3.2%、そして時給制が51.7%と大半を占める。

月の平均賃金は、身体障害者が22.3万円、精神障害者が15.9万円である。精神障害者の賃金水準が全体的に低いことがわかるかと思う。

身体障害者とは一線があるというか、彼らよりも一回り大きなハンディキャップを覚えざるを得ない思いである。

最近の求人票の感想

そして、最近の正社員の求人案件を眺めてみた(障害者枠)。
事務系職種でありながら、実務経験3年以上が応募要件である。
就労継続がおおよそ3年できている即戦力志向の求人といえるだろう。時間外の残業も30時間と多めで、時短の配慮も明記されていないので、社会復帰したての人が応募するにはハードルが高いのかと思う。

筆者も就労継続の実績をこつこつと積んでいきたいかと思っている。